「もし1円も出なかったらどうする?」と聞かれて……

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「もし1円も出なかったらどうする?」と聞かれて……

オーディション時期 2012年

女性、受験時の年齢 25歳

 

オーディションを受けた経緯

 私は当時、プロの声優として活動していました。新しいゲームのキャラクターの声優を決めるオーディションで、事務所からお話をいただいて受けに行ったオーディションでした。

 

オーディションに向けて頑張ったこと

 事前にいただいたのは、キャラクターの設定資料と、課題の台詞、そしてキャラクターソングのサンプル音源でした。まだリリース前のゲームだったのですが、その時点ですでにイベントが開催されることが決定していたようで、オーディションにエントリーする条件には「イベントで歌ったり踊ったりすることにも抵抗のない方」という条件がありました。

 

オーディションで失敗したこと

 その時、私はまだ上京したばかりで事務所に入りたてだったので、確か、人生で初めて受けた仕事のオーディションだったと思います。それまでにも、養成所に入るためのオーディションや、事務所に所属するためのオーディションの機会はあったものの、仕事をもらえるかどうかのオーディションは初めてだったので、とても緊張してオーディション会場の収録スタジオに向かいました。
 オーディション内容は、事前に渡されていたセリフ課題と歌、そして質疑応答でした。緊張してどうしようもなかった私は、質疑応答の際にしくじってしまったのです。
 オーディションも終盤に差し掛かった頃「もし、このゲームのイベントで『1円も出ないけど沖縄まで行って』と言われたら、行く?」という質問をされました。私はずいぶんと熟考した後(恐らく30秒くらい無言で考えた後)「行きます!」と言いました。その時の私はなぜか「1円も出ない」の意味を「所持金を1円も持たないで、自力で(ヒッチハイクなどをして)沖縄までたどり着いてイベントに出演してください」という意味だと捉えました。そして「気持ちとしてはお仕事ならなんでも喜んでやらせてもらいたいけど、実際にたどり着けるかな?」と熟考した後、答えたのです。冷静になって考えると、質問の意図は「ノーギャラでもこの仕事を受けるやる気があるか?」ということだったと思います。私はさぞやる気のない新人だと思われたでしょう。

 

失敗から学んだこと、今後の対策

 オーディションの結果はもちろん、不合格でした。その役は同期の女の子に決まり、たいへん悔しい思いをしたことを覚えています。
 この失敗から私は「オーディションではとにかくやる気を見せよう!」と心に決めました。オーディションという短い時間の中で、どんなに緊張していたとしても、その仕事にかける意気込み、気合いは、自分の心の持ちよう次第で伝えることができると思うからです。
 幸いなことに、その後もオーディションの機会をいただくことは多々ありましたが、声優の場合オーディションはほとんどがテープオーディションで、対面式のオーディションの機会はとても少なかったです。だからこそ、自分の人となりを直接見てもらえる貴重な機会であったと、失敗したことが余計に悔やまれましたが、1回1回の機会を大切にしていかなければならないな、と心からその重要性を感じることができました。今はもう声優活動を辞めてしまったのですが、あの時の失敗はその後の私の人生に活かされていると感じています。

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