同じ特技を先にやられてしまった
オーディション時期 2013年
男性、受験時の年齢 20歳
オーディションを受けた経緯
20歳になったばかりのころ、かねてより芸能人になってテレビに出たいという夢を持っていた私は、就職に悩んでいたこともあって、次代のスターを発掘するというオーディションに思い切って挑戦してみることにしました。
オーディションに向けて頑張ったこと
容姿にこそ自信はなかったものの、揃った歯並びと180以上という身長にはそれなりに魅力があることを自負していた私は、美容院やエステに行って外見を磨くことを中心に、オーディションの準備を進めていきました。
オーディションの中で一発芸の披露を求められると聞いたので、数少ない特技の中からジャグリングという見栄えのするものを選択して、技術の乏しさをカバーできるよう、ピエロのようにおどけた面白い芸にすることを完成形に練習を重ねました。
オーディションで失敗したこと
気合いを入れて臨んだ書類選考に順調に合格できたことで、私は調子に乗りました。合格後にインタビューされた時は、恥ずかしいから親に勝手に応募されたことにしようと、ダメもとで受ける気だったオーディションの、合格後のことを冗談半分にでも考え出したのがその証です。
そして自分より優れたものに出会って自信を失うという、オーディションにはありがちの落とし穴に引っかかりました。容姿で競えないのは最初から分かっていましたが、自分と同じくらいの身長の人間がゴロゴロいるのは衝撃でしたし、足の長さで負けたことは悲しかったですし、はるかに上手い専門的なジャグリングを先に披露されてしまったのはとどめでした。
前の候補者との実力の差さえも、芸を面白くする糧にできたのなら、評価はまた違ったのかもしれません。しかし既に気持ちが折れてしまっていた私にはその余裕もなく、大してすごくはない芸を乗り切れないテンションのまま披露し、ついに一度も審査員の表情を変えられることなく、オーディションを終える羽目になりました。白けた空気に場から逃げ出したい気持ちでいっぱいでした。
失敗から学んだこと、今後の対策
自分が打たれ弱い人間であることが図らずもわかったので、オーディション後は真の道化を目指して、心の強さを磨く方法を探求中です。目をそらしてきた自分の弱点を見つめることから始め、嫌なものにも積極的に挑戦し、失敗した時はその先を考えるように少しずつ意識を変えていくようにしたら、夢の前に現実的な仕事先が手に入りました。
とはいえ子供のころからの夢ですから、タレントになることも完全に諦めたわけではありません。テレビ出演を目標に、今は手近な素人参加のオーディションに挑む日々です。